カベワンGP2019 耐力壁

エントリーNo.1 森の翼(日本建築専門学校)
予選荷重(1/60rad.) 9.2kN / 最大荷重 25kN / 最大変位 174.8mm

部材は木材のみを使用し、筋かい・貫により構成された壁となります。上部を斜め格子状の筋かいにより固め、下部はテーパーを利かせた縦横の貫で柱の引抜力を分散する構成になっています。縦貫は、下部から楔を打ち込み開かせることでより強く引抜に抵抗できるようにしました。前年よりも初期剛性を高くし、挑んでいきます。

木材 桁:スギ、込栓・くさび:カシ、その他:ヒノキ
非木材 なし

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エントリーNo.2 Territory(指定応力団・網中組(東京大学+網中木材))
予選荷重(1/60rad.) 15.9kN / 最大荷重 35.5kN / 最大変位 210.8mm

構造は一般的な三段筋交いの耐力壁ですが、引張材に木材ではなくマニラロープを使用していることがアピールポイントです。柱にロープを巻きつけている構造のため、「接合部で壊れて引張が効かなくなってしまう」といったことも起こりえません。彗星の如く現れた新素材「マニラロープ」、そのあまりの“強さ”によって、恐らく来年には環境負荷費が上げられてしまうことでしょう・・・。

木材 桁、土台補強材:アカマツ集成材、柱・土台:ヒノキ製材、斜材:スギ製材
非木材 ビス(パネリード)、純マニラロープ

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エントリーNo.3 匠格子(アキュラ・チーム匠(東京大学木質材料学研究室+篠原商店))
予選荷重(1/60rad.) 13.5kN / 最大荷重 45.4kN / 最大変位 326mm

歴代数々の賞に輝いてきた「紬シリーズ」「一位の壁」を踏襲したデザインに加え、今年はさらに縦貫・横貫ともに細くすることで格子の美しさとしなやかさに磨きをかけた耐力壁となりました。金物を一切使用しないというこだわりのもと、組立・解体共に安全かつ速く出来る設計とし、トーナメントと総合のW優勝を目指します。

木材 桁・右柱・左柱・独立柱:ひのき、土台:カラマツLVL、横貫・込み栓:シラカシ、縦貫:イチイカシ
非木材 なし

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エントリーNo.4 G-WALL S(三井ホームGT)
予選荷重(1/60rad.) 28.7kN / 最大荷重 54.1kN / 最大変位 192.4mm

昨年は初出場で力加減がわからず、圧倒的な力でトーナメント優勝をしてしまいました。大人げなかったと反省しています。今年はハンデとして、両手(両面)は使わず、片手(片面)で戦ってあげましょう。もちろんドーピング(海外材)も使いませんよ。
今回は金物を使わず、ねじだけで組み上げました。Simple is Best!

木材 桁:ひのき集成材、土台:ひのき集成材、柱:ひのき集成材、間柱:ひのき集成材、面材:からまつ構造用合板
非木材 木ねじ

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エントリーNo.5 タダのカベ(千葉工業大学 多田研究室)
予選荷重(1/60rad.) 6.8kN / 最大荷重 27.9kN / 最大変位 105.2mm

・五枚の構造用合板を重ね、側面を凹凸にすることでめり込み抵抗を期待
・柱脚部の引張抵抗に三面せん断を用いることでねばり強い耐力を期待

木材 桁・土台:べいまつ、柱:ひのき、すぎ、壁:構造用合板、木栓:ひば
非木材 平金物、ビス


※予選加力直後に予選敗退が決まったため、最終引き切り加力は弱点を補強しての再加力とした。そのため、参考記録として計測を行った。

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エントリーNo.6 Super Triple X(バット)(ものつくり大学 小野研究室)
予選荷重(1/60rad.) 12.9kN / 最大荷重 26.8kN / 最大変位 214.8mm

上下二本の添え木と、添え木と土台や桁をつなぐ材を左右対称ではなく弱い箇所にに寄せることで、土台と桁の曲りを抑制し、二枚ほぞにすることで柱の縦のせん断を抑制してくれるはず!筋交いの勾配を緩くし、筋かいでもあり貫にもなりうるように、またすぎ材の柔らかさで柱と桁の接合部にかかる力を分散させてくれるはず!

木材 桁、柱、土台、添え桁、土台:ひのき、筋かい:すぎ、込み栓:かし
非木材 なし

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エントリーNo.7 Scrum Wall (One for Wall, Wall for One(前田建設工業))
予選荷重(1/150rad.) 5.6kN / 最大荷重 32.9kN / 最大変位 206.8mm
※ペナルティにより、予選荷重は1/150rad.時の荷重とした。

圧縮ブレースにより剛性を確保し、転倒による引張力を複数の柱に分散させることで高耐力を実現!また、弊社で開発した6軸加工機によりパネル等の加工を行い、嵌合接合を多用することで金属接合を削減し、意匠性・施工性・環境負荷低減を実現!
そうそれはまさに木と人と技術のスクラム、一人は皆のために、皆は壁のために

木材 土台・桁・パネル:からまつLVL、柱・梁・ブレース:すぎ集成材
非木材 ビス

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エントリーNo.8 VAVA (CRAZY TIMBER ENGINEERING)
予選荷重(1/60rad.) 24.3kN / 最大荷重 49.9kN / 最大変位 179.6mm

CRAZY TIMBER ENGINEERINGは、木質構造VAKA集団です。近年は面材の新たな使い方の提案をコンセプトに耐力壁を設計しています。VAVAは筋かいのシルエットを持つ面材耐力壁で、筋かいの堅さと面材壁の粘り、それぞれの長所の両立を目指しました。CTEは木造技術の発展を目指しており、設計方法や図面などをカベワンHPに公開しているのでチェックしてみてください。

木材 軸組:ヒノキ集成材、面材:MDF(国産材70%MIX)
非木材 SYNEGIC パネリードⅡ+・パネリードX、タナカ オメガコーナー

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エントリーNo.9 I’M KB (ポラス建築技術訓練校)
予選荷重(1/60rad.) 8.2kN / 最大荷重 30.1kN / 最大変位 188.4mm

特徴は何と言ってもハニカム構造です。この構造はサッカーのゴールネットやハチの巣にも使われていて、1方向から力が加わった際に、他の5方向に力を分散させるという特徴を活かし、粘りのあるハニカム構造を組み込み考えました。また初期剛性も大事なので、ハニカムを挟み込むように縦材と横材を配置しました。

木材 桁:べいまつ、柱、土台:ひのき ダボ:樫
非木材 なし

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エントリーNo.10 CLT?いえ、DLT (法政大学+長谷萬)

この耐力壁は、挽き板や角材を木ダボによって積層する “DLT-Dowel Laminated Timer”という技術によって作られています。釘やビス等の金物を一切使わず、4本の角材を木ダボのみで接合する木の壁にこだわりました。ホゾとダボだけというローテクな製造手法がDLT壁の魅力です!

木材 土台:ベイマツ、桁・柱・DLT・接合部材:ダフリカカラマツLVL、木ダボ:ブナ
非木材 なし


※データ非公表

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エントリーNo.11 渦の壁 (東京理科大学高橋治研究室)
予選荷重(1/60rad.) 8.2kN / 最大荷重 31kN / 最大変位 207.2mm

正面から見たときそれぞれの斜材の端部の勝ち負けが逆になっていて、渦巻いているように見えることからタイトルをつけました。引っ張り部分の補強に高機能繊維の帯を使用し嵌合の弱点をカバーします。あらわしで意匠に組み込めるようにするため、抜け感とスラッとした見た目を意識してデザインしました。

木材 桁:ヒノキ集成材(サイプレス)、柱:ヒノキ集成材(サイプレス)、土台:ヒノキ集成材(サイプレス)、土台補強:ヒノキ集成材(サイプレス)、斜材:ヒノキ集成材(サイプレス)、間柱:スギ、面材:構造用合板
非木材 ビス 高機能繊維帯(テクノーラ)

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エントリーNo.12 規則正しい生活 (東北能開大)
予選荷重(1/60rad.) 5.9kN / 最大荷重 25kN / 最大変位 492mm(参考値)

筋かいと貫を併用したシンプルな構造にし、筋かいに貫を貫通させることで、初期剛性を出しつつ後半も粘るように設計を行いました。昨年度は、杉材のみで軽量化をはかりましたが、今回は赤松を使用し耐力の向上をはかりました。柱脚部は、イペを用いた雇いほぞ採用することで引抜きに対する補強を行いました。

木材 桁・土台・添土台・柱・間柱・筋かい・貫:赤松、雇いほぞ:イペ、込栓:イペ、樫非木材 なし

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エントリーNo.13 THE ウォール(滋賀職業能力開発短期大学校)
予選荷重(1/60rad.) 13.7kN / 最大荷重 38.9kN / 最大変位 199.6mm

伝統に従い、今年も「筋交い型耐力壁」をコンセプトに設計。筋交と貫が持つ粘りと硬さが軸方向の引っ張りに抵抗し、板状に取り付けた面材がさらに強固な粘りをもたらすことで変形を防ぐ。筋交いの持つ線の抵抗と、面材が持つ面の抵抗を兼ね備えた、進化した耐力壁が完成した。

木材 アカマツ・合板
非木材 なし

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エントリーNo.14 千鳥格子(四国職業能力開発大学校)
予選荷重(1/60rad.) 6.7kN / 最大荷重 48.7kN / 最大変位 148mm

今大会も例年同様、金物を使用していない格子壁で挑戦します。昨年度の羽目板を入れた格子壁にさらに斜材を加え、千鳥格子状に配置しました。また独立柱の柱脚は樫材のやといを車知栓で留めることにより引張荷重に対して強い構造となっています。予選時はその羽目板と斜材で初期剛性を確保し、トーナメント時は貫が荷重を吸収して耐える、という作戦で総合優勝を目指します!

木材 桁・柱・土台・斜材:桧、貫:桧、杉、羽目板:構造用合板、雇い・込み栓・車知栓・楔:樫
非木材 なし

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エントリーNo.15 ネジ山カベ次郎 斜材改建(KAMAGIC)
予選荷重(1/150rad.) 12.7kN / 最大荷重 30.6kN / 最大変位 169.2mm
※ペナルティにより、予選荷重は1/150rad.時の荷重とした。

斜材が特徴的な耐力壁で昨年よりも小断面材を使用しています。厚みを抑えた水平材と併せて、壁内をとてもスッキリさせました。また、今回はビスの他に柱脚用の金物を用意し、柱と土台の接合を従来の方法よりもシステマチックになるよう工夫しました。

木材 桁・土台・柱・水平材・斜材:ヒノキ
非木材 ビス、柱脚接合金物

各チームの荷重変位データはコチラ

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