カベワンGP2022 耐力壁

No.1 名もなき壁(東北能開大)

最大荷重:43.0kN / 最大変位:212.2mm

「吾輩は壁である。名前はまだ無い。何でも薄暗い実習上で制作された事だけは記憶している。今年こそは、優勝という名の栄光を手に入れたい・・・」
今年は、バランスの良い壁をコンセプトに制作しました。初期の段階では筋かいで抵抗し強度を上昇させ、変形が大きくなるにつれて貫で粘りながら抵抗するイメージで設計しています。その他、加工面やデザイン面についても工夫しながら制作しています。

木材
桁、土台、柱 :アカマツ 筋かい :アカマツ 縦貫、横貫、雇い :ケヤキ 込栓 :カシ
非木材
なし

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No.2 SSX scissors(ものつくり大学(小野研究室))

最大荷重:21.8kN / 最大変位:143.9mm

今までの集大成を複合して製作しました。とくに、貫を筋交いで挟むようにしてダボを刺したところに抜けるのを防ぐために、ピンとして細い丸棒を刺すことで抜けるのを防止しています。壁の名前(SSX scissors)は、壁の形が S が 2 つと X が 1 つで筋交いがハサミに見えるからです。去年に続き総合優勝を目指したいと思います。

木材
桁、柱、土台、筋交い、くさび、足固め :ヒノキ 込み栓 :樫 やとい :クリ
非木材
なし

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No.3 ゆいまーるの壁(沖縄職業能力開発大学校)

最大荷重:19.3kN / 最大変位:274.7mm

今回、私たちは沖縄の伝統工法の貫(ヌチジャー)や昨年度も使用していた、円を改良し金物なしで製作しました。貫を三本にした理由としては沖縄の三線の弦(チル)のアイディアを生かしたためです。三線は三本の弦がありますがそれぞれ大きさが違うことから貫のサイズを
上から下にかけて小さくしました。この壁のテーマにもある「ゆいまーる」とは助け合い・つながりといった意味があります。そのことを今回円で表現し、円同士の変異の向きを交差させ、助け合うといった工夫をしました。

木材
土台、桁、柱、円 :杉 貫 :イヌマキ 筋交い、楔、込栓 :木斛
非木材
なし

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No.4 ダイヤの4(四国職業能力開発大学校)

最大荷重:13.5kN / 最大変位:168.5mm

今年度は、例年同様、金物を使用せず、筋交いをイメージした面材を構造部材にはめ込んだ耐力壁を制作しました。重量のある24㎜厚の構造用合板を2枚あわせにすることでより強度を上げ、欠き込みを入れることで軽量化を図り、面材を分割して施工性を上げることを狙いまし
た。また分割したことにより耐力壁変形時に面材の接合部がスライドする問題を、雇い実継ぎを仕込むことによって防ごうと考えました。

木材
桁、柱、土台 :桧 羽目板 :構造用合板 雇い :オーク、桧 込み栓、車知栓 :樫
非木材
なし

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No.5 #耐力壁(東京大学木質材料学研究室+網中木材株式会社)

最大荷重:38.6kN / 最大変位:220.7mm

斜材が圧縮力を、マニラロープが引張力を負担することで、木材の強さとロープの強さの両方を活かせるような適材適所を目指した壁です。意匠性についても、三角形を敷き詰めた形となるようこだわっています。
#網中木材 #耐力壁 #貫 #ヒノキ#マニラロープ

木材
軸組み :ヒノキ 面材 :スギ
非木材
ビス マニラロープ

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No.6 とぅーーーす!!(チーム大三商行(大三商行+東京都市大学))

最大荷重:21.2kN / 最大変位:270.3mm

その加工難易度に設計者が提案を渋り続けた耐力壁システム
確かに靭性は大事だが、脆性破壊も見てみたい(切望)。
そんな中、救いの手を差し伸べてくれたのはプレカット会社“大三商行”!
文句なしの精度で噛み合った鋸状ユニットは壁の変形とともにズレ、見事なせん
断変形を魅せてくれるでしょう!
『せん断を制する者は試合を制す!!』(使った木栓はセンダンではありません。)

木材
スギ、ヒノキ、カシ
非木材
全ねじビス

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No.7 最適解 その先へ(前田建設工業~やっぱりこっちが最適会~)

最大荷重:43.6kN / 最大変位:220.1mm

昨年の耐力壁を基にし、今年は、さらなる最適解を求めた。トポロジーを用いたメインパネルに補強パネルを加え、耐力の向上を図った。メインパネルは、多軸加工機 WOODSTAR の三次元的な繊細な加工により、LVL の素材を生かしながら、その素材らしからぬ不思議な表情を持ったデザインとした。

木材
桁、柱、ヤトイ :LVL A 種 メインパネル、柱脚パネル :LVL B 種 土台 :パララム 木栓 :オーク
非木材
パネリード X PX8-230 x4 本

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No.8 Block × Block(河原組(東京電機大学))

最大荷重:40.8kN / 最大変位:383.3mm

あの河原大先生をお頭に奉り結成した「河原組」。木組みではなく「木ブロックを使った意匠性・構造性能に可変性を持たせた耐力壁」をコンセプトに、フルスレッドビスをこれでもかと言わんばかりにバンバン使用した耐力壁を考案。我らの壁の実力は…

木材
桁、貫、せん断ブロック :杉 柱 :桧 土台 :桧(集成材) 込み栓 :樫
非木材
フルスレッドビス

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No.9 檜三四郎(アキュラ・チーム匠(東京大学稲山教授+篠原商店))

最大荷重:64.4kN / 最大変位:213.8mm

3 本の横枠と 4 本の縦貫で構成され、横枠への縦貫のめり込みにより、高耐力と高い靭性を兼ね備えた耐力壁です。面材や外国産材は使用せず、すべて国産材(ヒノキ・シラカシ)で構成されています。予備試験と要素試験の結果より、他の樹種に比べて「ヒノキ」の性能の高さを再認識し、『檜三四郎』と名付け、今年は柔よく剛を制します

木材
柱・梁・土台 :ヒノキ KD 横枠 :ヒノキ集成 縦貫 :シラカシ
非木材
ビス

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No.10 アナボリック((有)橋本組(日本建築専門学校))

最大荷重:12.1kN / 最大変位:115.4mm

日本の伝統工法を基に、設計した壁になっております。筋交いにて剛性をだし、3本の貫とその間の落とし板で柔軟性を取った壁になっています。柱の仕口部分にはヤトイを入れ、引抜きに大きく抵抗してくれることを期待しています。また柱と土台の取合いにメチを入れることによりさらに粘り強くしております!!ぱわー!!

木材
桁、落とし板 :スギ 柱、土台、筋交い、貫、長押、足固め :ヒノキ ヤトイ :ケヤキ 込み栓、楔 :カシ
非木材
なし

 

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